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ハチロク田中によるゲーム製作にまつわる記録。毎日が苦戦ですたい(;ェ;)
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近頃ニコニコ動画内のコンテンツである『ニコニコアニメスペシャル』や最新話無料公開などで新しいアニメを見る機会が多い。
その中でもライトノベルが原作となっている作品は、原作ノベルを買って読んでみるようにしている。
読み始めて一気にラストまで消化できるタイトルは正直に言ってここ数年ゼロだった。
(そもそも読んでいる冊数が少ないし、どれも第一巻しか買っていない)

それを見事に打破したのが、
著・川原礫『ソードアート・オンライン~アインクラッド~』
(電撃文庫、2009年初版)

である。

以下、長めな上にネタバレを多く含みます。
原作を未読の方はご注意ください。


アニメの第一話を見て原作に興味を持つのはいつものこと。
本屋で他のタイトルを物色しつつ手に入れようと思っても、九巻や十巻を見かける程度で一巻はなかなかお目にかかれなかった。
たまたま立ち寄った本屋で一巻を発見、何年か前にとらの○あなだかどこかで見た表紙だった。
そしてちょっと分厚めの約350ページ。
近場の喫茶店に入り、冒頭のカラーイラストには目もくれず(毎回そうです)さっそく本文へ。
 

前置きはこの辺で。

僕なりの見方ですが、必ずしも『一気に読みきった=面白い』ではありません。
一気に読めた原因としては、まずアニメ版の第一話の出来が大変良かったこと。
そして僕自身が2002年辺りからMMORPG、いわゆるオンラインゲームであるLineageをプレイしていたということ。
(ラグナロクオンラインと共に今でもちょこっとやってます)
この辺は読む『きっかけ』とでも言いますか、おそらく最大の原因が以下。

序盤で物語の終着点が明確であった。

これじゃないかなと。
「お前らはこのゲームからログアウトできんようになっとる。各階層のボスを倒して百階まで到達したら現実世界へ帰したる」
つまり『攻略するまでの過程を読む』ということである。
読み手には潜在的に『結末がどうなるか』ということが埋め込まれるわけだ。
そしてその過程の書き方が良い――と言うのであろうか?

一階層のボス攻略が書かれることもなく七十四階層へと話が飛ぶわけですが、まぁ戸惑いつつも読めます。
それまでどういった経緯があったのかということも多少書かれており、それらが主人公に丁寧にフィードバックなされているという点も面白い書き方ですね。
一周読んだ感じではその点に不自然なものは感じませんでした。
七十四階層のボス戦にあたって一階層で主人公といい感じだった男・クラインの登場のさせ方は感心の一言です。
この辺りまでは、本当に久しぶりですが、わくわくしながら読みましたね。

問題はここから先なわけで・・・
いやそれ以前にもあってですね、

・物語の展開においてテンポが悪すぎる
七十四階層から話を進めるのはまだ良いのですが、どうでもいいような情景描写に心血を注ぎすぎであるという点。
建物や床の質感、町の色、細かなゲーム内の説明など、これが本の大半のウエイトを占める形に。
そりゃ物語も進展しませんよと。

僕だけかもしれませんが、情景描写は最低限のことさえ書いておけば読み手は勝手に漠然とでも想像するものだと思います。
そこで細かなディティールを山ほど書いたところで、そんな細部まで読み手は『絵』を想像しますかと。
そんな細部を書くよりも物語を進めてくれよと。
そら尺も足りませんよ。

・主人公とヒロインの関係性
終盤に肉体関係を揶揄ってるシーンが御座いまして、これはどうなのかと。
これも僕だけかもしれませんが、読み手は『ひく』んじゃないのかなという危惧。
僕は別に処女厨というわけではないのですし、16歳の少年が女性と肌を重ねるということに妬みを覚えるようなこともありませんが、僕とフィクションの距離が開き始めたのがこの辺りです。
これまで積み上げて来たものの上に変なものを置いたせいでグラグラ揺れ始めたとでも言いますか。
その後シーンが変わってニシダさんの登場でやや持ち直したものの――

・七十五階層で終わる物語
「あれ?百階までいかないの?」
残りページ数的に何となく予想はしてましたが、この裏切り方はどうなんでしょうかという点。
規定ページ数に収めるために無理やり話をまとめたような感じしかしません。
「連載打ち切りが決定したので、あと二話でまとめてください」みたいな。
オチもこの電脳世界を築き上げた天才・茅場晶彦にあるまじきミスというか失点というか・・・。
非常に、非常に心残りな締めでした。


エピローグのオーラス、本文を少しだけ引用させていただきます。

>愛剣の代わりに点滴の支柱を握り締め、

これが最大の救いでした。
最後の最後に笑いで締めるこのセンスは感服です。
皮肉とかではなく本心で。
どんなに格好の良い言葉を並べながらも、想像するその後姿は何とも情けないというか頼りないというか。
この締め方は個人的には超ヒットでした。


【総評】
あれこれ書きましたが、いろいろ『楽しめる』一冊でした。
七十六階層から百階層までの余白とかは、読者に夜布団の中で寝る前にでも妄想して遊んでくださいというようなことも感じます。
続編や番外編が存在するのかどうかは知りませんが、十巻あたりまで出ているようで気になったら続きも読んでみようと思いました。
ただもう一回読むかと考えると、二年くらいはいいかなというのが正直なところです。

アニメの一話は本当に良い出来で、もう二十回くらい見てるのかな、全体を通しての構成もテンポは良いですし、BGMも素晴らしいです。
主人公キリトとクラインの関係性も良い見せ方をしてますね。
アニメを見てからそのシーンの原作を読むと気付くことが多かったりします。
例えばアニメ一話のオーラス、他のプレイヤーたちより先に次の町をベースにする、これにクラインの仲間たちも同行させるか?
これに対して主人公は「二人、いや一人でも増えるとなると――」というような感じで言葉を詰まらせます。
僕はこれを経験値やDROPアイテム、稼ぎなどの分配の問題かなーと思っていたのですが、原作だと「ゲーム内で死ぬと現実でも死ぬ、自分が彼らを守り切れなかったらクラインと自分の関係性も壊れる」のようなことを書いていました。
「ああ、なるほどね」と、僕自身の状況把握と想像力の無さを感じたり。
そういう箇所も多いもんです。

二話のディアベルの死にやらたと主人公に噛み付くキバオウにも何かあるのかなと思っていたり。
お互いが腕を絡み合わせて酒?を酌み交わしているシーンなどから、ある程度想像は出来ますが。

今後もアニメは注目したいですね。
声優さんの芝居はかなり自然で、映像も素晴らしく音も良い、繰り返し見れる部分も多いかなと。
まぁ原作が原作なだけに展開に少々不安を感じますが。
久々にいいアニメが出てきたなと言ったところです。

(・ェ・)/

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